こちらで更新継続中。「Daylight」を今更クリア。 アイデアに作り込みが追いついていないホラーゲーム。

「Daylight」を今更クリア。 アイデアに作り込みが追いついていないホラーゲーム。

Daylight イメージ

長らく放置していたので、ちょっとやってみるか~とプレイしてみた本作なんですが。 まぁ、サクッとプレイが終わったのはある意味救いだったのかもしれません。

一人称視点のホラーゲームが人気を集めるなかで登場した本作は、自動生成マップなど野心的なシステムを搭載して差別化を図ろうとしたものの、それがうまく奮わず……遊びも、内容の濃さも足りないゲームになってしまっています。

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グラフィックは美麗とはいえないものの、雰囲気はまずまず。

冒頭の10数分ほどをプレイ動画にしました。 どんな具合のゲームか、参考になれば。

プレイヤーが操作する主人公の女性は、廃病院で目を覚まします。 そして、ほぼ唯一の所持品であるスマートフォンから聞こえてくる声を頼りに、発煙筒やグロースティックを使い、邪悪な存在をうまく避けながら脱出を目指すことになります。

本作はUnreal Engine 4を使っているとのことですが、残念ながらUE4の恩恵を十分に受けているとはいえないグラフィックレベル。 PS3レベル……とまでは言わないまでも、最新鋭のグラフィックとするには厳しいですね。

しかし、最初に目覚める廃病院の雰囲気は非常によく出来ていると思います。 いい具合に“汚し”があって、お世辞にも清潔とは言えない雰囲気はそれっぽくてGoodです。

その廃病院を出口を求めて、時に邪悪な存在につきまとわれながら探索していくことになるので、プレイ開始直後“だけ”は恐怖感や緊張感などをそれなりに味わえると思います。

ゲームの進行ルールは非常にシンプル。 “鍵”を探し、先へ進むだけ。

改めて、本作のゲームの進行ルールを説明しておきましょう。 と言っても複雑なことはなくて、“鍵”となるモノを見つけて解錠し、先へ進んでいくだけです。

赤い紙

青い紙

まず回収すべきは、マップ上に配置されている紙です。 これらを調べると、断片的にこの病院や置いてある場所に関する情報を読むことができます。 それらは報告書のようであったり、手紙のようであったり、写真であったりします。

そうして過去に何があったのかを、得られた情報をもとにぼんやりと想像しながら集めていくと、エリア内のどこかに“鍵”が出現します。

鍵となるテディベア

“鍵”といっても、形状はさまざま。 画像ではテディベアが“鍵”となって現れている。

この“鍵”を、魔法陣のようなもので封印された扉へ持っていくことで……、

魔法陣

封印された扉に“鍵”をかざすと、光が溢れ出す……。

写真

そして、意味ありげな写真などが映し出され……扉が開く。

封印が解除され、次のエリアへ……と進行していくことになります。

この間はこうしたアドベンチャーゲームにありがちな謎解きらしい謎解きもほとんどなく、プレイの大半は、“鍵”を出現させるために紙片を集めることに時間を割くことになるでしょう。

とはいえ、全く謎解き要素・攻略要素がないでもないです。

グロースティック

任意で使えるアイテムは、この緑色の光を放つグロースティックと、赤い光を放つ発煙筒くらい。 それぞれに用途は異なる。

本作においてアイテムといえば基本的にはグロースティックと発煙筒のことを指します。 グロースティックは隠されたモノ(アイテムや仕掛け)を暴き出す効果があり、発煙筒は邪悪な存在を退ける効果があります。

ただし、所持数には限りがあるので、何も考えずに常用していくことはできません。 まぁ、使わなくてもどうにかなりがちなのが良いような悪いような微妙なところですが。

さて、では発煙筒を使うべき邪悪な存在とはどんなものか?というと。

邪悪な存在

こんなヤツです。 静止画だとアレですが、振り向きざまにコイツがいると“最初は”ビックリします。 なお、視点を合わせ続けると、呪いによって主人公は死亡してしまいます。 よって、緊急時には発煙筒の光でコイツを退ける必要があるのです。

ノイズ

邪悪な存在が近くにいると、妙な音声が聞こえ、スマートフォンの画面にノイズが走る。 じっと耐えるか、思い切って逃げ去るか……。

そしてなにより、本作の野心的な試みとして、一部の固定マップを除く探索エリアは、プレイのたびに構造が変わるというシステムになっています。 よって、同じ進行ルートでは攻略できず、プレイのたびに新鮮な攻略と予想できない緊張感や恐怖がリプレイ性につながる……という触れ込みになっていました。

……が、実際のところは、リプレイ性につながっていないどころか、内容の薄さばかりが目につく結果になってしまいました。

底の浅さが早々に恐怖感や緊張感を消し去ってしまう作り。

ホラーゲームは、攻略法がわかってしまったり、ある程度のイベントを網羅してしまうと“慣れ”てしまって、魅力の大部分である恐怖感や緊張感が薄れてしまうのがネックでもありました。

そこで本作は、(勝手な推測ですが)マップ構造をある程度ランダムにすることで、敵の登場が予測できないゆえの、プレイごとの恐怖感や緊張感の維持を目指したのではないでしょうか。

ただ残念なのは、実現には遠かったかな……という印象であることです。

先の敵は発煙筒以外にも対処法がないでもなく、それに気づくまでは発煙筒の所持可能数・取得可能数の少なさも相まって緊張感はかなりあるのです。 が、対処法に気づいてしまうと、発煙筒が不要になってしまうくらいのガバガバな仕様でもあるのがなんともはや。

しかも、恐怖演出というのが、しつこくまとわりつく邪悪な存在=先の敵(一種類だけ!)と、たまにそこら辺のオブジェクトが音を立てて動くくらいなもの。 いわゆる音でビックリドッキリ系のものがほとんどなので、ある程度プレイしていると慣れてきちゃうんですよね。

演出面においても、エリアマップにランダム性を持たせたために、凝った演出ができなかったのかもしれません。結果的に、精神的恐怖であるとか、エンディングにたどり着くまでの間ずっと持続する緊張感……というものも感じられないんですよ。

プレイ内容も変化がなくずっと横ばいですので、“慣れ”ていくプレイヤーのプレイ体験の質は右肩下がり。 エンディングも「フーン」で終わってしまいそうなものなので、クリア後の達成感……カタルシスなんかも薄いです。

確かに、攻略の舞台となるエリアの大部分にランダム性を持たせて、リプレイ性を高める……あるいはプレイヤーの“慣れ”による恐怖感や緊張感の減衰に抗おうとした試みは面白いと思います。

しかし、ホラーゲームとして重要な恐怖演出であるとか、緊張感の生み出し方、そして根本的なゲーム性、本作を構成する物語とその背景に至るまで、全体的に作りが薄っぺらいんですよね。 とりあえず最低限の要素は入れましたヨ、というようなもんで。

結果、一番恐怖感や緊張感を味わったのは初回プレイ時……の、冒頭の廃病院を探索しているときだけ。 あとはタネがわかってしまって“慣れ”が早々に生じてしまい、次々と変わるロケーションも廃病院ほどの嫌な雰囲気を醸し出していなかったのも、プレイするほど恐怖感や緊張感を薄れさせていった原因なのだと思います。

ゲームボリュームとしても決して豊かとは言えず、頼みの綱のランダム性も、ともすれば内容の薄さに拍車をかけているような気すらしますし、サクッとプレイして終われるのが数少ないメリットなんじゃないかとさえ思えます。

皮肉なことに、リプレイ性が高いどころか、勝手がわからない最序盤だけがそれなりに恐怖感と緊張感が味わえるという、薄味なホラーゲームになってしまっているのです。

一回のプレイでも満足行かないゲームを、そう何度もプレイしたくなりますかね?

入門用とか、最初の雰囲気だけ楽しむくらいならいい……のかな?

というわけで、ランダム性……語弊があるかもしれませんがローグライク的なエッセンスをホラーゲームに取り入れようとしたものの、うまく実現できなかった挙句、一回あたりのプレイの密度や濃度さえも犠牲になっているのが本作です。

上にも書いたように、勝手の分からない最序盤に、本作中で最も雰囲気のある廃病院をうろつかされるのはせめてもの救いだと思います。 この最序盤における恐怖感や緊張感は、なかなかいい線を行っていたように感じました。

しかし、その後はどんどん右肩下がりになっていき、変化のなさが露呈し、やがて得られる情報のビミョーさと、結末の物足りなさが消化不良を起こすことになるでしょう。

一人称視点のホラーゲーム入門として……とか、唯一そこそこ高確率で楽しめるであろう最序盤の雰囲気を楽しむためというのなら手を出すのはアリです。 が、これまでに同じ形式のホラーゲームをプレイしてきたことがあるのであれば、本作は欲求を満たしてくれるものでは恐らくないので、回避するのが賢明でしょう。

Daylight(PS4) | 公式PlayStation®Store 日本

この記事を書いた人

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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