こちらで更新継続中。戦国死にゲー「仁王 α体験版」をプレイ。 磨けばいいゲームになりそう。 ただし今は……。

戦国死にゲー「仁王 α体験版」をプレイ。 磨けばいいゲームになりそう。 ただし今は……。

仁王 イメージ

戦国死にゲーを標榜する、和風ダークソウルとでも言うべき高難易度ARPG「仁王」の期間限定の体験版が来ておりましたので、早速プレイしてみました。

現状だと色んな意味で厳しい出来ではありますが、単なるダークソウルフォロワーに終わらなさそうな要素もあり、ぜひとも大幅にブラッシュアップして製品版発売を迎えて欲しいところです。

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単に死にまくれば達成感のある死にゲー、というわけではない。

紹介・解説動画を用意しましたので、概要はこちらをどうぞ。


動画を見てもらえば一目瞭然ですが、多くの部分でソウルシリーズの影響を受けているゲームであり、難易度の高さ(死にやすさ)もそれにならったと思われます。

しかし、本家ソウルシリーズが序盤から比較的高難易度(死にやすい)ながらも、ちゃんとゲームの雰囲気・ノリ・難易度の片鱗を感じることができる弱めのザコ敵からあてがうのに対し、本体験版では最初から高体力・高火力の敵をわんさか出している点で異なります。

個人的には、難しいは難しいでもソウルシリーズの多くの作品では「調整がなされた難しさ」だと感じていて、それは敵の強さ・数・配置をバランスよく取っているからにほかなりません。 強い敵であれば1~2体程度置いておき、弱めの敵だったら4~5体置いた上で地形などの罠を置くなどして調整しています。

一方の本体験版は概ねどの敵の攻撃も2発食らえばお陀仏な高火力を持ち、それが3体以上いるのが常。 どこまでも追ってくるし、逃げた先にまた複数体の敵がいて……というような塩梅で、なんかこう芸を感じないんですよね。

「とりあえず高火力の敵をいっぱい配置! ほら、死ぬでしょう? 難しいでしょう? 死にゲーです!」っていうくらいの安直で杜撰なレベルデザインにしか感じられず、プレイしていても緊張感やワクワク感よりも、理不尽さから来るストレスのほうが強く感じましたね。

軽装な盗賊ふぜいと戦っていても、こちらからの攻撃は背面から数回斬らねば倒せないのに、あちらからの攻撃は鎧を着込んでいても2発で死ぬとかね。 いくらなんでもゲームとはいえ、納得は行きません(こちらに対して敵が死ににくい時点でリアルな難易度とも言えません)。

あ、人の姿を借りたバケモノとか、鬼・妖魔・魑魅魍魎であればタフでもいいと思いますよ。 でもただの賊徒だとしたら、ちょっと不自然ですよね。

全体的に見ても、まぁ、ソウルシリーズも不親切なゲームではありますが、それ以上に不親切で理不尽なデザインになっているなぁと。 そのせいかボスを倒しても、本作が魅力の一つとして掲げている”達成感”はあまり感じられなかったりという弊害も発生しています。

確かに死にまくる死にゲーには違いないでしょう。 しかし、その死を越えた先にある達成感などの見返りがあるからこそ、この手のゲームがウケたわけです。 その辺が弱い、あるいは、弱める原因として芸を感じない調整などがあるのでは、「単にポンポン死にまくるだけのストレスゲー」でしかありません。

やはり、序盤は操作とゲームの方向性に慣れる意味でも、ある程度弱い敵をあてがうべきで、そこからステップアップして敵を能力やモーションで強化するなり、ロケーション的に引き締めていくなりするのが、ちゃんとした死にゲーとしてのレベルデザインと言えるでしょう。

現状では文字通り未調整でとりあえず形になっただけのα版でしかなく、とてもじゃないですが、製品として楽しめるものではないと思います。

個人的に問題あり・不満と感じた部分。

では、改めて個人的に問題がある・不満であると感じた部分を書いていこうと思います。

  1. 難易度曲線が狂っている。
  2. レベルデザインが雑。
  3. 装備周りの仕様がゲームのコンセプトや仕様とマッチしていない。
  4. ロックオン中は敵に背中を見せるな! 貴様、それでも武士か!!
  5. 打撃音が軽い。
  6. インタラクト対象切り替えの実装。

ではまずひとつめ「難易度曲線が狂っている」ですが、最初から敵の強さ(火力・体力・鋼体、いわゆるのけぞりにくさ)の設定と、数がやり過ぎですね。

部分的にそういう難所が最初からあってもいいけど、ほとんど3人とかで徒党を組んでるわけで……そんなんばっかりだと、まぁ、芸がないと感じるわけです。 ただただめんどくさかったり、うんざりするだけで、先へ進みたくないだけになってしまう。

そもそも本体験版はどのようなプレイヤー層を想定して作られたのでしょう。

私感としては想定層はソウルシリーズ経験者なのではないか? ってくらい、あらゆる説明が不足……というか皆無。 オンラインマニュアルも必要最低限の操作説明なだけで、システム的な説明はなし。

ソウルシリーズ経験者ならばノウハウや類似するシステムから類推できますが、完全にこういうゲームが初体験の人もいるわけで、こういう「ほら、やり方とかは雰囲気でわかるだろう?」とフォローアップを放棄するのは、いくらなんでも不親切に過ぎます。

そうしたフォローアップもなにもない状態で、いきなりやたらタフな賊徒とやりあわされて、殺されまくって、果たして楽しさに気づけるでしょうか? 達成感がその先にあるのだと、わかるのでしょうか?

この辺は、ダクソ3の冒頭にも言えますが、ここまでバランスが狂ってはいませんでした≒突破が現実的でした。 まぁ、あちらはあちらで別の初心者向けではない(=経験者向きである)問題もあったのですが、それは別のお話。

無論、本体験版に慣れてくると最初に出てくる奴らくらいなら(固さも含めて)どうとでもなるんですが、徒党と出くわすとダメですね。 まぁ、何も出来ずに殺されることもままあります。

改善案としては以下のどちらかかなと。

  • 体力・攻撃力は現在の6~7割程度にマイルドに。 スーパーアーマーも軽装な敵からは取り除いてもいいと思います。
  • あるいは現在の火力を維持したままで、敵も1~2回攻撃すると死ぬ、まさに「殺るか殺られるかの真剣勝負」的な調整に。

個人的には後者の案を採用して欲しいところで、戦闘にハードコアな緊張感が生まれるのではないかと。 同時に、敵も死にやすくなれば後述の装備耐久度の問題も一部解決するでしょう。

現状では戦闘もリトライもなんとなくダルい(中途半端な)印象なので、平易化するかより先鋭化するかしたほうがいいのではと思います。 別の問題として、体力上げてHPを向上しても生存率が変わらない≒死にステになっている印象も受けますし……。

さて、続くふたつめの「レベルデザインが雑」は上記にも通じるんですが、そのままの意味で全体的にレベルデザインが雑です。

ここで言うレベルデザインとは、マップ構造や敵配置などのことであります。 これが、ゲームプレイ中のゲーム体験の良し悪しを強く左右します。

マップの雰囲気はダークだしグラフィックレベルも高めなのでイイのですが、構造がイマイチ探索していて楽しいものではなかったり、敵配置にセンスを感じません。

無駄にごちゃついていて進路がわかりにくかったり、とにかく敵の群れの距離が近すぎたりと、プレイヤーを殺しに来ているのはわかるんですが、じゃあ死にまくれれば(そして突破できれば)勝手にプレイヤーが達成感を感じて満足するのかといえば、前項で否定した通りです。

みっつめの「装備周りの仕様がゲームのコンセプトや仕様とマッチしていない」……これは先にもチラッと出てきた、装備耐久度の問題です。

耐久度がゼロになるとどうなるかは試していませんが、著しく損傷すると性能がガクッと落ち込むのは確認済み。 よって、装備をできるだけ壊さないように運用していく必要があるんですが。

現状だと、排出率が低く効果もイマイチな修理アイテムに頼るしかないんです。

排出率が低い、すなわち、敵からのドロップやそこらのオブジェクト破壊時に発見できる数が少ないということです。 そうして手に入れた修理アイテムは、耐久度を50%回復するのみ。

まぁね、50%だけとはいえ、装備中の装備全部を修理してくれるので、まぁいいかと思っていたんですが……それじゃ足りない勢いで、武器も防具も傷んでいくんですよ。

本作は死にゲーを標榜しているので、まぁ、トライアルアンドエラー……つまり死にながら学習してリトライしていくっていうゲームプレイが前提じゃないですか。 なのに、死ねば死ぬほどリトライするほどに状況はどんどん悪化していって、最終的には詰むんですよね、現状の仕様・バランスだと。

装備の揃わない最序盤で手持ちの武器がダメになり、防具も壊れ放題になってしまった場合、ろくに敵も倒せず装備も奪えないわけで、そうなってしまったらどうすればいいんでしょうね。 手近な箱から修理アイテムが出るのを待てと?

この辺をゲームとして成立させるには、以下のどれかもしくは複合の改善が必要だと思います。

  • 修理アイテム(砥石・にかわ)の排出量を増やす、もしくは効果を100%回復にする。
  • 装備耐久度の低下スピードを下げる。
  • お金かアムリタを使って、社などで修理できるようにする。 社で休んだら全回復くらいでも問題ない。

現状だと、装備の消耗スピードに対して修理アイテムが量的効果的に足りず、使い捨て寄りの調整と言えます。 開発としては使い捨てさせたいのか、色々装備を使い分けて欲しいのか私にはわかりませんが、せっかく装備集めが楽しそう(LOOT・トレハン要素あり)なので、できれば使い分けの方向にシフトしてほしいところ。

リトライ時は社の効果・機能で全回復するようにして、攻略中の出先で耐久度がヤバい時に応急処置として修理アイテムで修理する or なんとか保たせる(やりくりする、ごまかす) or 一度退却する……の選択肢をプレイヤーに与えるくらいでいいと思います。

よっつめの「ロックオン中は敵に背を向けるな!」ってのは……武士だから敵に背を向けるなど!ってだけではなく、真剣勝負を謳っている割にはそれっぽくないんじゃないの、と。

構えとか構え直し(残心? 消費した気力の一定量回復)とか武術っぽさを出しているのに、ロックオンは後退しつつ距離をはかってどうこうみたいな駆け引きが薄く感じられ、どうにも中途半端。

個人的にはロック中は敵を注目しつつ動かせないとロックオンの意味が無いとすら思えるので、これは改善を強く希望しますね。 攻撃の追尾とかでムラ・ムダが出ちゃうでしょう、このままだと。

いつつめの「打撃音が軽い」は、見た目の重厚感に反して無双っぽい(和ゲーに多い高めの打撃音)かな?と。

好みもあるんでしょうが、もっと金属音を響かせた重厚なサウンドにして欲しいですね。 あわせてモーションも重みを活かしたり、もうちょっと滑らかな動きにする方向で改善もして欲しいもんですが。

最後の「インタラクト対象切り替えの実装」はユーザビリティとして必要と考えます。

現在の仕様だと血刀塚の近くにアイテムが落ちている場合、現状だとインタラクト(調べる)が干渉しあってしまい、アイテムを拾いたいのに血刀塚を調べてしまって、なかなかアイテムを拾えずイライラする……とかなっています。

ここは他のボタンでインタラクト対象の切り替えを実装すべきでしょうね。 それと、アイテム取得やはしごへのインタラクトは○長押しじゃなくてもいいんじゃないでしょうかね。

細かいところでは、上中下段の構えが恐らく想定よりはあまり機能していないので煩雑な印象しか受けないだとか、α版ゆえか全体的に説明・フォローが不足というより欠落しているなどもあったので、その辺も製品版では手を入れてほしいなと。

逆に、ここは良さそうだと思った部分。

まず、ビジュアル面はいいと思います。 フレームレートはゲームの基本設定アクションモードで安定60fps、シネマティックモードで安定30fpsが欲しいところですが、実際どの程度のものかはわかりません。

ビジュアルイメージ

血の描写などは現世代機ならでは!といったところ。 戦闘時の血の色はもうちょっと暗色でもいいかな?

冒頭のムービーシーンにおける、死体の血の描写など、現世代機ならではの表現はしっかりと出来ている印象で、モーション関係のぎこちなさを改善できれば、よりリッチなビジュアルになるでしょう。

Affix

ハクスラというかLOOT大好きな私がにわかに沸き立ったこの要素。 伝説級装備出たら黄金の柱が天に向かって伸びるくらいでいいですよ! ほんと!!

続いて、武器や防具の特殊効果(Affix)のランダム性やグレードの存在は個人的に大歓迎。

実際の武器の種類が少なくても、これによって多様性が生まれますので、レア物や自分の望むAffixがつく装備を狙って戦闘を繰り返す……いわゆるハック・アンド・スラッシュな楽しみができそうなのが○。

スキルツリー

地味ながら、スキル習得によって難易度も変わってくるのは体感できました。 特に消費気力軽減は死亡リスク軽減に役立ちます。

加えて、スキルツリーももう少し深みや多様性が出てくれば、キャラビルドもより楽しくなりそうです。 体験版の範囲では割と実用的ではあるけれども無難なスキルが多かったので、もっとピーキーだったりハイリスク・ハイリターンなスキルもあると面白そう。

ちなみに製品版には刀・槍・斧以外に武器種類はあるのかな? ないのなら、弓スキルがあってもいいかも。

主人公イメージ

ゲラルトさんゲラルトさん言っていたら、彼の本来の名前忘れちゃいますね……。 正しくはウィリアムさんです。

また、主人公のオッサンはなかなかカッコよくて好みです。 ちょっとだけアゴが発達しすぎている感あるので、一回りくらいアゴ削ってほしいですが。

あとは……戦闘システム自体はまだ洗練を必要とはしますが、敵の気力を削っての致命の一撃や、構え直しによる気力回復・管理など、緊張感があってよさ気ですね。 敵の気力を削りやすくすれば、致命の一撃が実用的になって楽しさも味わいやすくなりそう。

死亡後のリトライ時のロードの速さもゲーム性とはマッチしているかもしれませんが、その前にもうちょっとレベルデザインやバランスをなんとかしてほしいところですね……。

ひとまずはこんなところでしょうか。

木霊や守護霊の効果などで装備集めをほんのり推奨しているっぽいのもわかりますので、単純にアムリタ稼ぎ以外での戦闘の目的とかもあって、うまくハマれば結構遊びごたえがあって良さそうではあります。

現状では“ナシ”だが、素材や将来性は“アリ”。

というわけで長々と書いてきましたが、現状でのバランスや仕様でいくとアリかナシで言えば断然ナシな塩梅で、劣化ダクソと言われても致し方ない出来であります。

この際、制作期間が10年であることは脇に置くとしましょう。 その上で、今の状況だけを見るのであれば、やりたいことはわからないでもないものの、仕様やコンセプトにブレがあります。 加えて、参考にしたのは間違いないソウルシリーズの魅力やレベルデザインの妙味に気付けていないか、実現できていないです。

まぁ、α版だからという点を加味しても、とりあえず形にしただけという印象はやはり拭えません。 アイデアやテーマ、コンセプトに実装や調整が全然追いついていないというか。

それと、死にゲーにおいてプレイヤーは「決して、死ぬことが好きというわけではない」ことは再確認して欲しいところ。 カタルシスを、望んでいるのです。

しかしながら、前項で書いたように装備集めやスキルツリーなど、本作ならではの要素もあったりするので、そちらを深めつつソウルシリーズフォロワーとして見習うべき部分を見習っていけば、単なる劣化ダクソフォロワーに終わることもないでしょう。

つまり、素材はいいのです。 そして、恐らく実現したいのであろうソレには、将来性も(少なくとも私は)感じます。

正直なところ製品版の仁王でどれほどよくなるかはわかりませんが……仁王 猛将伝とか仁王 極とかあたりになれば、だいぶ良質なゲームになっているのではないかと思う次第です。

今後改めて体験版が出るのか、それとも続報を出していくに留まるのかは不明ですが、それら次第では購入もやぶさかではないですね。 もし改善が見られないようであれば、その時は残念ながら……ですが。

というわけで、今の段階では決してオススメできない塩梅ですが、個人的には良ゲーになって帰ってくることを強く期待したいゲームですね。 改善、なにとぞよろしくお願いします。

クリア時ステータス

参考にもならんでしょうが、臼杵ステージクリア時のステータスなど。 正直、このステータス+この時点での装備が揃っているくらいでちょうどいいくらいのバランスです。

この記事を書いた人

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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